Surabaya Lab.

2026-06-25

計算した確率を、もう一度確率に合わせる

計算結果と入力確率のズレ

前回書いた「Adjusted Harville Model」で3連単の全組み合わせの確率を計算すると、一つ厄介な問題が起きます。

例えば、ある馬の「1着になる確率」を、計算した全組み合わせのうち、その馬が1着になっているものだけを足し合わせて検算してみます。

理屈の上では、これは最初に入力した単勝確率と一致してほしいところです。

ところが、実際にはズレます。

Harvilleモデルはあくまで近似であり、複数の馬の強さを掛け合わせていく過程で、入力した確率からどうしても少しずつ離れていきます。

IPF(反復比例フィッティング)による補正

このズレを修正するために使っているのが、統計学で「IPF(反復比例フィッティング)」と呼ばれる手法です。

考え方は地味ですが効果的です。

  1. 今の計算結果から、「各馬が1着/2着/3着になる確率」を改めて合計してみます
  2. それが目標値(入力した単勝・複勝確率から逆算した値)とどれだけズレているか、比率を求めます
  3. その比率を、該当する組み合わせの確率に掛けて補正します
  4. これを1着・2着・3着のそれぞれについて、何十回も繰り返します

繰り返すたびに、計算結果は少しずつ「入力した確率と矛盾しない」方向に収束していきます。

ツールでは、この補正を30回繰り返すことで、最終的な3連単確率を確定させています。

理論オッズと期待値

ここまでで、単勝確率・複勝確率という2つの「市場の声」から、3連単の理論価格(理論オッズ)が組み立てられたことになります。

あとは、これを実際の3連単オッズと比べるだけです。

理論確率 × 実際のオッズ、というシンプルな掛け算で「期待値」が出ます。1倍を超えていれば、市場が理論よりも高い価格をつけている、つまり「妙味がある」可能性を示す数値です。

ただし、組み合わせの確率が極端に小さいものは、この期待値が大きく振れやすくなります。なので、確率の大きさに応じて「信頼度(高・中・低)」という指標も別に持たせています。

次回は、実際のレースにこのモデルを当てて、何が見えたかを書きます。

SURABAYA LAB.

← 記事一覧に戻る